直行便 搭乗記

北の国から海外旅行

キャセイパシフィック航空(新千歳=香港)直行便 搭乗記

日本はじめ諸外国の入国規制も緩和され、ここ北海道・新千歳空港からの海外旅行もコロナ前の状況に戻りつつある今、北海道にお住まいの皆さんも、新千歳空港から直行便で行く海外旅行をご検討中の方も多いのではないでしょうか?今回、私た
ちはキャセイパシフィック航空の直行便を利用して「香港」へ行って参りました。

【1】新千歳空港
 コロナ禍においては閑散としていた国際線ターミナルも、キャセイパシフィック航空のほか、海外エアライン直行便の運航再開に伴い、かつての賑わいを取り戻しつつあります。海外からの団体や個人客の姿(主にアジア圏)も多く見られましたが、コロナ前、デイリー運航の海外エアラインが分刻みで離発着していた時と比較すると、6割程度(2023年6月15日時点)の回復かと思います。
出発時は平日、連休や長期休暇期間ではなかったため、日本人客は少なかったものの今後はインバウンド・アウトバウンドともにかつてのにぎわいが戻ってくると思います。
新千歳空港には6ヶ所の外貨両替所が ありますが( 国内線ターミナル2ヶ 所、国際線ターミナル4ヶ所)、その 内、国際線ターミナルに関しては現在 も2ヶ所しか営業しておらず、営業 中の4ヶ所の外貨両替所では、いずれも「香港ドル」が不足していたため、希望金額の両替ができませんでした。旅行者の増加に伴い、両替所の特定外貨不足は徐々に改善されると思いますが、到着地の空港の外貨両替所(営業時間や場所)の確認をされた方が良いかもしれません。ちなみに香港国際空港のAゲート内の外貨両替所は、現地時間の23時15分まで営業していますので、キャセイパシフィック航空の新千歳空港(16時45分発)直行便での香港到着時(現地時間21時)、香港国際空港内・外貨両替所での両替は支障ありません。
今回は、ビジネスクラスを利用ということで、航空会社専用の「ロイヤルラウンジ」で搭乗時間まで過ごしました。落ち着きと温もりを感じるラウンジでは、スープカレーや味噌ラーメンといった〝北海道ならでは〟なメニューもあり、日本人のみならず、外国人旅行者も大変喜んでいる様子でした。

 
【2】機内の様子
搭乗客は中華圏からの旅行者、また小さなお子様連れの家族3世代とおぼしき旅行者が多い印象でした。中華圏・東南アジアからの旅行者は、個人客やお子様を伴っての小グループが主流となりつつあるようです。
新千歳‐香港
線のCX使用機材は「エアバスA390-900」という機種で、ビジネスクラスはプライバシーが程よく保たれた「ヘリンボーン配列」でした。
座席の各種機能も大変わかりやすい表示と操作性でモニターも大きく、到着までのおよそ5時間、機内エンターテイメントを存分に楽しむことができました。
コンテンツも大変充実しており、映画に関しては新作・旧作ともに、日本語吹き替え版も多く、お子様向けコンテンツも豊富でした。
キャセイパシフィック航空は、航空関連のリサーチや格付けを行うイギリスの「スカイトラック(SKYTRAX)」社が毎年発表する、「世界の航空会社ランキング2023」でもTop10に選出されました。実際にそのホスピタリティーを体験した一人としては納得のTop10入りです。
ビジネスクラスでは優先搭乗後に熱いおしぼりとウェルカムドリンク、離陸1時間後にミール サービス(ディナー)がスタートします。ビジネスの機内食はコースとなっており、 日本発の海外のエアラインがそうであるように、前菜は外国人旅行者を意識した「和食」(酢の物・根 菜の肉巻きとお煮しめ・昆布巻き)、季節のサラダ、茶そば、各種ブレッド。メインは3種類 (チキンのブラックビーンソース炒め / リゾット / シーフードカレー)からお好みをチョイス。 デザートはチーズ盛り合わせ、季節の果物、アイスクリームがあり、ドリンクはビールやワイ ンなどの各種アルコール類、お茶、ソフトドリンクをお好みでオーダーすることができます。
【3】香港国際空港
 出発からおよそ5時間15分、「香港国際空港」へは定刻の現地時間21時に到着しました。飛行機を降り、入国審査場のあるターミナルへは専用モノレールで移動(乗車時間3分弱)入国し、審査場へ進みます。
外国人旅行者は、カウンターにて入国カードに記入し審査カウンターへ。新千歳空港同様、パ スポートと顔認証による自動化ゲートを通過し、ターンテーブルにてスーツケースをピックア ップ。
ターミナルロビー出口へと向かう導線上には、香港の地下鉄MTR、他の交通機関やコンビ ニ、ファストフード店でも利用可能な交通システムカード「オクトバスカード」の販売窓口 (到着時、この販売所は営業時間終了)、外貨両替所(23時15分まで営業)があります。空港の導線は香港へ初めて訪れる旅行者にも大変分かりやすいと感じました。


香港国際空港の到着ゲートAとBからは、地下鉄駅に直結。下記写真(左上)の階段を昇ったところには「オクトパスカード」も販売するインフォメーションカウンターがあり、こちらでもオクトパスカードが購入可能。そのインフォメーションカウンターのすぐ後ろがMTRのプラットホームとなっています。
到着ロビーとほぼ同じフロアにMTRのプラットホーム!重たいスーツケースを引きながら、階段やエスカレーターを上り下りする事もなく、公共交通機関が利用できるのは嬉しいですね。また、タクシー乗り場までのルート上も階段はなく、緩やかなスロープとなっていま す。
空港から市内へと向かう場合、旅行者の大半がMTRまたはタクシーとなりますが、香港のタクシーはエリアごとにボディーカラーが異なり、香港の主要エリアに行く「赤色」、九龍半島や新界地区行きの「緑色」、ランタオ島行きの「水色」の3種類。タクシー乗り場の表示も分かりやすく、各色(エリア)ごとにレーン分けされ、乗車の際には係の方による誘導もあり、滞在ホテル名とエリアを伝えると、その係の方がタクシー
ドライバーに行き先を告げ、目的地や料金などを記したレシートも渡してくれます。空港からの各交通機関乗り場で、英語が話せるスタッフによるこうしたサポートがあるのは、言葉に不安のある外国人旅行者にとっても大変嬉しいサービスだと思いました。外国人旅行者が訪れた
国で最初に接するのがタクシードライバーなど、交通機関スタッフとなる場合が多いので、この時点でのスムーズな意思疎通は、幸先の良い旅のスタートとなりますし、訪れた国のイメー ジもアップしますね。

なお、空港内および香港市内でのマスク着用率は2割程度。私達も香港取材中は一応、マスクを持ち歩き、旅行者の多い観光スポットでは着用する場面もありましたが、滞在中、ほとんどの時間は未着用でした。ただし、飲食店やホテルスタッフ、タクシードライバーなど、外国人旅行者と接する機会の多いお仕事に従事されている方のマスク着用率 は、高いと思いました。
【4】取材スポットでの様子
 ① 香港庶民の足「スターフェリー」でも、「オクトパスカード」が利用可能!香港の皆さんの生活の足ですが、旅行者にとってはこのスターフェリーもちょっとしたアトラクション。美しいエメラルドグリーンのビクトリア湾から目線を変えて、香港の街並みを楽しむことができます。フェリーで対岸の「中環(セントラル)」へ向かいました。

② セントラル・ピアでフェリーを降り、タクシーで向かった先は「嫣裳記(ヤンシャンキー)」という、香港の伝統チャイニーズドレス「チーパオ」のレンタルショップです。
「嫣裳記」のあるWing Lee Street()は、香港を代表する映画監督ウォン・カー ウェイ氏の代表作、映画「恋する惑星」のロケ地ともなったところです。
香港の古いタウンハウスでは、この「嫣裳記」はじめ、香港の若い世代がギャラリーやカフェ をオープン。

「チーパオ」も、オーナー自らが香港や日本など、アジア各国で探し求めたレトロなテキスタイルを使用し制作。種類もサイズも豊富に取り揃えています。(子供用・男性用もあり)ヘアアレンジやアクセサリー、バッグもレンタル可能!お気に入りのチーパオを着用して、オールドタウン・セントラルに点在するウォールアートを楽しみながら記念撮影!こうした「体験」を交える事で、海外旅行も思い出深いものに。
点在するウォールアートの中には、香取慎吾さんが描いた作品(写真右下)も。
香取慎吾さんのウォールアート「大きなお口の龍の子(大口龍仔)」は、世界一長いエスカレーターとしても知られる「ミッドレベルエスカレーター」の側面、Hollywood Road (荷李活道)とShalley Street(些利街/シェリーストリート)が交差する付近にあります。
 
【5】取材スポットでの様子2
 ③ オールドタウン ・セントラルのソーホーというエリアで、今注目のスポットとなっているの が 「大館」です。ここは、旧中央警察署・中央裁判所、ビクトリア監獄を含む、16の歴史的建 造物が美しく修復され、新たな文化発信拠点ともなっている複合施設で、レストランカフェ、 ワークショップ等も開催のギャラリーもあります。

④ 今回の取材の目玉ともいえるエリアが「西九龍文化地区(ウェスト・カオルーン文化地 区)」で、このエリアには1,000点近い貴重な美術品を所蔵する「香港故宮文化博物館」、イギリスのテートモダンやニューヨークの近代美術館(MOMA)にも並ぶ水準を誇る、20世記以降のアジアの〝視覚文化〟に特化した巨大な美術館「M+(エムプラス)」、広東オペラや京劇の劇場「戯曲センター」など、香港政府が力を注ぐ〝アジアのアート&カルチャー〟の拠点となっています。特に この「M+」のユニークな展示と企画展は大変見応えがあり、歴史や人々の生活を大きく変えたアジアのアーティスト、中でも日本人アーティストや企業のイノベーション、広告・商業デザインも数多く展示され、1日では回りきれないほど。取材時は草間弥生さんの特別展も開催されていました。33ものギャラリー、図書館、映画館、カフェもあるこの施設は、日本人旅行者も存分に楽しめる場所として、香港を訪れた際には何度もリピートしていただきたいスポットです。
 
【6】取材スポットでの様子3
⑤ 伝統船「アクアルナ号」でのビクトリア湾クルーズは、香港観光でも人気のアクティビティ。カクテルクルーズや香港名物「シンフォニー・オブ・ライツ」など、運航時間帯やパッケージも各種ありますので、旅行スケジュールに合わせてお楽しみください。

⑥ 香港を代表する観光スポットといえば「ビクトリアピーク」。2022年に日本円で140億円もの巨費を投じ、トラムや駅が改修されました。駅構内には初代のトラム車両や運行間もない頃の様子、歴史が感じられる展示のほか、改札からプラットホームまでの通路には、最新技術を駆使した映像とサウンドで、乗車前のワクワク感を高める演出も施されていました。

6代目新型車両のボディーカラーは、初代のトラムと同じ「トラムグリーン」と呼ばれる緑。
立って乗車する乗客の安全にも配慮した、床面が少し波打つ構造になっています。また、車両側面と天井の窓も以前より大きくなり、眼下に広がる香港のパノラミックな光景が存分に楽しめる車両となっていました。
 
 
夜景が楽しめる時間帯や「シンフォニー・オブ・ライツ」の時間帯は混雑も予想されますの で、事前に日本語にも対応のピークトラム公式サイト、またはオプショナルツアー会社のサイ ト等で、乗車チケットを購入されておくのもおすすめです。もちろん!交通系ICカードの「オ クトパスカード」も利用可能。


ピーク山頂駅を降りると、飲食店や土産店、3D写真を背景に写真撮影を楽しめるアトラクション(有料)、世界的にも有名な「マダムタッソー蝋人形館(有料)」もある「スカイテラス428」もあります。最上階展望台からの眺めも最高です。
最上階展望台への入場は有料ですが、トラム乗車券の種類には展望台料金も含むパッケージもあります。また、山頂駅から遊歩道を少し下った所には、地元の社会奉仕団体が寄贈した、「中華風展望台と東屋」もあります。こちらはもちろん無料!
残念ながら、東屋での写真を撮り終えた直後に雷雨に見舞われ、予定していた場所(屋外)からの中継は断念しましたが、それこそ万が一、雨に見舞われた場合は、
「大館」や「M+」等の屋内施設をじっくりと楽しまれたり、ペニンシュラホテルで人気の「アフタヌーンティー」をいただきながら、優雅な香港での午後を楽しんでみてはいかがでしょうか?
 
【7】取材スポットでの様子4
⑦ 香港の歴史の一部とも言えるラグジュアリーホテル「ザ・ペニンシュラ 香港」でのアフタヌ ーンティー(予約不可)はじめ、下町でローカルにも人気の老舗飲茶店や、火鍋もぜひ!そして夜には香港在住の外国人にも人気の元・卓球場だった隠れ家バーへ。このバーはジン専門店だそうで、様々な種類のジンを楽しむことができます。
取材途中には、尖沙咀(チムサーチョイ)の フェリーターミナルにある『香港政府観光局』のインフォメーションセンターも。滞在中に開催されているイベントや、旅行者に嬉しいクーポンやキャンペーン情報なども入手可能!観光局のスタッフの皆さんも、2人の「チーパオ」姿をとても喜んでくださいまし た!
帰国時の香港国際空港 後ろ髪を引かれつつ帰国の途に。今回、私たちが宿泊した尖沙咀エリアから空港までは、早朝出発でしたのでおよそ40分ほど。搭乗手続き・保安検査・出国審査を経た後、香港国際空港・国際線ターミナル内にあるキャセイパシフィック航空のラウンジ3ヶ所を拝見しました。


3ヶ所とも異なるインテリアコンセプトとレイアウトで、軽食やドリンク類も充実。
ラウンジによってはオープンキッチンスタイルで、作り立ての温かな軽食も楽しむことができます。また、雑誌や新聞なども、それぞれのQRコードを読み込み、ご自身のスマホで閲覧が可能。これもアフターコロナに対応した対策の一つですね。
香港国際空港ではデジタル化が大変進んでおり、搭乗券やパスポートの提示も必要ない、顔認証による搭乗システムで、搭乗時の混雑もなく、時間もかなり短縮され 大変スムーズな搭乗でした。

さらに!香港国際空港では、搭乗待合ロビーの椅子の横にUSB充電ポートが設けられ、出国時の保安検査でペットボトルや持参した水筒等に入った飲み物は、持ち込みができないため、廃棄しなければなりませんが、審査場を抜けた搭乗口フロアには、至る所に無料の飲料水専用給水ポイントがあり、多くの旅行者が利用していま した。香港国際空港は大変広い空港ですが、外国人旅行者も迷いようのない導線の良さと表示の分かりやすさは、様々な国や地域の空港利用経験がある私も、毎回、感心する点です。観光立国として歩んできた「香港」ならでは!これは出発フロアに関しても同様で、空間が存分に活かされた導線と配置、また遮るものがないのでフロア内を遠くまで見渡すことができ、加えて大変分かりやすい案内表示なので、初めて香港を訪れた旅行者も右往左往することなく、目的エリアや搭乗口に辿りつくことができます。

帰りもキャセイパシフィック航空の直行便で。搭乗率はほぼ満席に近かったのではないでしょうか?エコノミークラスもシートピッチが広く快適。モニターの下にはカップホルダーの付いた小さな棚が出せる仕様で、この棚のホルダーにカップを入れた状態でもお手洗い等への移動が可能です。
香港国際空港から新千歳空港までの復路は、わずか4時間15分。時差も1時間ということで身体への負担もなく、「楽」に「気軽」に海外旅行を楽しめます。


香港から日本への出入国も制限や煩雑な手続きの必要はなくコロナ前と同じ!日本入国時の携帯品・別送品申告書も、従来通り帰りの機内で配布される申告シートに記 入、またはVisit Japan Webにて申告手続きを行い、電子ゲートへ進めばOK!

皆さんも、新千歳空港から直行便で「香港」へぜひ!
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